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2006-05-13

『蜂の巣にキス』

 ジョナBee_3 サン・キャロルの作品が訳されるのは9年ぶりだそうで。
歳とるわけだ、こりゃ。

『蜂の巣にキス』 ジョナサン・キャロル著/浅羽 莢子訳 創元推理文庫

 久しぶりのキャロルを堪能した。堪能 したけど、これはキャロル・ファンのための作品だな。最初にこれを読むのはお勧めできない。ファンになってから読んでください。

これまでのキャロルと違って、今回は「超自然」というかダークファンタジーの要素が鳴りを潜めているように、表面的には、見える。
 「さらーっと読んでしまえば、これはよくあるタイプの過去探しミステリにすぎない。しかし――。」という、本書解説の豊崎由美の指摘は概ね正しい(ところで、この人の言い方というのはいつも概ね正しいのにどこかずれている気がする。それはなぜなんだろう?)。だが、「しかし――」以降の部分に頷くことができるのは、やはりキャロルの魅力をすでに理解している人に限られるだろう。本書でキャロルに初めて触れる人にとっては、本書はやっぱり「普通にミステリ」ではないか。それもあまり出来の良くないそれではないか。
 要するに、こういう「ただのミステリ」みたいな話が、「ただのミステリ」のように語られて、「ただのミステリみたい」な結末が付くのに、全体としては「ただのミステリ」ですまないところがキャロルなんだが。
 ミステリとして読んだら怒る人もいると思う。

 評点は、難しいけど、

 ☆☆☆★★★

 っつうところでどうだ。

 個人的には☆☆☆☆★くらいあげたいところだが、そうすると『死者の書』とか『パニックの手』とかは何点にすればいいんだ、という話にもなる。

 そういえば『パニックの手』文庫版、近日発売。具体的には5/27発売予定。もちろん創元推理文庫。おもしろいぞ。
 今月の創元推理文庫はもうひとつ目玉がある。
 『隠し部屋を査察して』エリック・マコーマック。5/20発売予定。へんな作家です。メタ方面が好きな人はぜひ。

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コメント

なんだか面白いTBが来てますね、いいなぁ(嫁さんに見られたら大変だぁ、笑)。

さてキャロルは9年ぶりですか!本当かいなと前作の文庫の奥付を見ちゃいましたよ。
しかし買うだけで読んで無いなぁ、4作目位から…。

投稿: FaianchCha | 2006-05-14 01:07

しばらく使わない間にずいぶん重くなってるなあ>ココログ。

>なんだか面白いTBが来てますね

どうもTBの意味がアタシゃよく分かりません。とりあえずこのTBは削除します。中身のことをいえば、まあ、場合によってはたまにお邪魔してもいいのだけど、記事に何の関連もないのにTBを送るというのはきわめて無礼だ。
とか、そういうこと言わずに黙って削除するんでしょうね、巷では。
「キャロルが9年目」というのは文庫ではなくてハードカバーで出た短編集『黒いカクテル』以来、ということだす。
キャロルは固定ファンはいるがあまり売れないので最後の4冊ほどはハードカバーで出したけど、やっぱり売れないのでしばらく出さず、今回文庫に格落ちした、ということでしょうな。
『蜂の巣にキス』は一般受けはどうか、と思うが、今度文庫化される『パニックの手』はかなりのお薦め。騙されたと思って読んでみて、騙されてください(という言い回しが、ごく内輪で30年近く前に流行りましたな)。

投稿: maiamai | 2006-05-16 22:27

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