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2006-02-05

『一角獣・多角獣』

unicorn 『一角獣・多角獣』 シオドア・スタージョン/小笠原豊樹訳 早川書房

 新装版「異色作家短編集」の第3巻。出てまもなく買ったのに、なぜか読まずにしばらく寝かせてあった。
 僕はいわゆる古本コレクターではないし、異色作家短編集の旧版も数冊持ってはいたものの、全巻揃えたいという気持ちも別になかったが、このスタージョンの巻だけはずっと欲しかった。今回のシリーズ新装版の発刊の中でどれか一冊しか買ってはいけないと言われれば、迷わずこれを買っただろう。

 いざ手に入れてみれば、昨今のスタージョン・ブームもあり、他社刊の本にすでに入ってしまった作品多数。楽しみにしていたわりに長いこと積んでおいたのは、半分くらいはごく最近読んでしまっているという意識が働いたからだろう。真正の「未読本」ではない、というような。しばらく間を置いて読むなら1冊丸々読んでもよいが、いま読むのだと飛ばし飛ばし読むのだろうな、というような。

 しかし、「既読」のものも読んでみればやはり引き込まれる。結局1冊丸々楽しんだ。

 ただし「孤独の円盤」は、『不思議のひと触れ』(河出書房新社)所収の白石朗訳のものとはずいぶん印象が違った。また「めぐりあい」は、『海を失った男』(晶文社)に「シジジイじゃない」(若島正)のタイトルで収録されているのと同じものだが、「めぐりあい」の方はどうもピンとこなかった。「シジジイじゃない」は印象深い作品だったが…。
 『海を失った男』編者にして「シジジイじゃない」訳者の若島正氏によれば、「めぐりあい」は「原文にして2ページ近くも飛んでいる箇所がある」など、「いたるところにかなりの省略が見られる」とのこと。少し読み比べてみたところ、意味内容がまったく食い違っているところもあった。この一篇に関しては、もし可能なら『海を失った男』所収のものから先に読まれることをお薦めする。

 初読のものの中では、最後の短編「考え方」が強烈な印象。

 で、集全体の評価だが、さっそくの新採点方式で☆☆☆★★★。

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コメント

☆☆☆★★★ ・・・

☆(20点)×3個+★(5点)×3個は、えーと75点だから、翻訳すると★★★でぇ、つまり「おもしろい」って事だな。

日曜日だってのに頭使っちまった、ふぅ・・・。

投稿: 牛乳屋 | 2006-02-05 16:14

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