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2006-02-10

『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』

hashimoto  というわけで、遅れてきた記事シリーズ第3弾。

『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』 橋本治 新潮文庫

 三島由紀夫はこれまでほとんど読んでこなかった。高校生のころにたぶん『金閣寺』を読んで、それきりだったのではないかと思う。だって、よく分からなかったんだもん。
 あるいは『潮騒』も読んだかもしれない。

 そんな私ですが、橋本治は若いころかなり好きだった。新刊はすべて買っていた時期もある。今でも興味のある分野について書いていれば読むが、かつてほどではない。
 とはいえ今でも、『完本チャンバラ時代劇講座』は実に優れた日本大衆文化論だと思うし、隠居して時間でもできたら『男の編み物、橋本治の手トリ足トリ』で山口百恵柄のセーターの編み方を勉強したいと思う。
 だけどこの『「三島由紀夫」とはなにものだったのか」については、読むとしてもいつか、もう少し三島の代表作を読んでから、というような意識も働いて、なかなか読もうという気にならなかった。あまり食指が動かなかった。第一回小林秀雄賞受賞作だそうですが…。

 昨秋文庫化されたのでようやく購入。
 読んでみれば、さすがは橋本治、三島を知らない僕でもおもしろい(笑)。要するに三島由紀夫の「仮面」とは何だったかということを、作品を精緻に読み込むことでつまびらかにしていく。この「精緻に読み込む」というところがミソで、詳しくは書かないがこういうマネはこの人以外にはできない。
 そりゃ、無理だよ、健康な高校生に『金閣寺』を分かれと言ったって。ややこしい人だったのね三島由紀夫。

 三島作品に対する興味が俄然湧いてきます。それとも橋本治お得意のぶん回す文章に腹を立てるか、どっちかだな。
 ワタシはこれを読んだあと、立て続けに『仮面の告白』『金閣寺』を読みました。まもなく「豊饒の海」四部作にとりかかるでしょう(笑)。

 採点は☆☆☆☆★★★

 付記 この本、単行本で出たときも、カバーは文庫と同じ写真を使っていた。〈白地にそれぞれ金赤と黒の大きな活字でタイトルと作者名がはいる、例の三島作品の新潮文庫と同じデザインで作られた、文庫の写真〉というもので、それほど珍しいアイディアではないが、これが同じ新潮文庫に入り、そのカバーに新潮文庫の写真が印刷されている、というのは、本書の内容に合わせたような感じでおもしろい。

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