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2005-11-05

『日本の近代3 明治国家の完成』

『日本の近代 3 明治国家の完成―1890~1905』 御厨貴 中央公論社

 gekkouinnさんに薦められて読み始めたこの『日本の近代』。ここまで読んできた中で、この巻が頭抜けておもしろい。

 明治政府がいかに機能し、いかに機能しなかったかが、個々のケースに立ち向かうそれぞれの当事者のレベルで生き生きと立ち上がってくる。
 欧米が長い年月をかけて作り上げてきた統治のシステムを短い期間のうちに移入しようとして苦闘し、しかしうまくいかず、迷走に次ぐ迷走を続けたという、明治政府像がユニーク。著者の言葉によれば「無様」な政府。
 しばしば重大な局面に触れて立ち往生し、しかしそのたびに何かが起きて(笑)、なんとなく回っていきながら、近代国家の仲間入りをしていく。

 小説を読むようなおもしろさだ。

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コメント

ご感想を伺って、嬉しき哉。
まったく、おっしゃる通りでございますよね。

こういう形で近代史に接近するというのは、たまらないものがございますでしょ?(苦笑)

投稿: gekkouinn | 2005-11-07 20:57

>gekkouinnさま

 本書中で2度にわたって山田風太郎の明治ものを引用する一方で、明治を舞台とした小説と言えば誰もが思い出す司馬遼太郎に一切触れなかったことについて、著者がたしか付録(月報?)で、「意図的」にそうしたと述べていましたが、むべなるかな。
 へんな言い方ですが、ここに描き出された明治はシバリョウの明治より風太郎の明治だという気がしました。

投稿: maimai | 2005-11-07 21:58

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