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2005-10-13

『ディアスポラ』読了

『ディアスポラ』 グレッグ・イーガン著/山岸真訳 ハヤカワ文庫SF

 とうに読み終わっていたのだが、何だか書くタイミングを逃がしてしまった(トリニティにかまけすぎだって)ような感じで、きょうまでスルー。
 だけど、これだけの傑作だ。最低限のことだけは書いておきたい。
 中身の話とか説明とか面倒なので、SFにあまり馴染みがない人は、この記事パスしてください。どうせイーガンは“SF読み”だけのアイドル。SF読まない人には逆立ちしたって薦められない。

 一方、“SF読み”の方々には今さら僕などが薦めるまでもないわけだが、僕にも少しだけ言わせてほしい。

 必読。これはもう義務です、義務! 
 僕に関していえば、もはや自分が“SF読み”なのかどうか最近は全く確信が持てないのだが、本当におもしろかった。
 
 正直言ってここで使われている科学理論(実在にしろ架空にしろ)は、僕には全く分からない。これに関わる箇所になるとホント辛いです。何言ってるかさっぱり分からん。しかし、読み飛ばさずに一字一句を追っていけば、それだけの甲斐はある。必ず努力は報われます。

 この小説に出てくる人類は、本当に遠くまで行くのだ。そりゃ、もうステープルドンなんて目じゃないくらい。なにしろ冒頭、登場した時点ですでに肉体を持たない。そこから出発して、彼らはどこまで行くのか。 宇宙の果て? 甘い×10の20乗。

 話の本筋にはむしろあまり関係しないのだが、第四部は全編中の白眉。こんな凄い話はイーガンにしか書けない。しかし、それよりもっと凄いのは、こんな凄い(何だか「凄い」の連発ですが)話が全体の中ではむしろ傍流の、こぼれ話みたいな位置に置かれているということかもしれない。

 まあ、僕にも少しだけ言わせて、などといっては見たものの、「訳者あとがき」で紹介されている、チャールズ・ブラウンの賛辞よりも的確な言葉は、残念だけど思いつけない。

いわく、

これはなんのためにSFがあるのかを雄弁に物語る作品だ。

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