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2005-08-13

『『こころ』大人になれなかった先生』 石原千秋

 また読んじゃった、みすず書房の「理想の教室」。このシリーズはつくづく良い。しばらく癖になりそうだ。依然ブームが続く新書などと比べると、ヴォリュームに比してやや割高な感じだが、執筆人やテーマは厳選されている。

 これは夏目漱石『こころ』の斬新解釈。読みが鋭く、漱石のちょっとした言葉遣いや、従来は小説のほころびとみなされていた記述の矛盾にも着目して、あっと驚く解釈を提示している。

 著者自身、「全体として、僕の読解にはややトリッキーな感じを受けるかもしれませんが、それは、僕が文学研究者は小説のテストパイロットのようなもので、小説の可能性を限界まで引き出すのが仕事のひとつだと思っているからです」 といっているように、かなりスリリングな読みを体験できる。

 巻頭に『こころ』の要約版が載っているが、本文ではここに載っていない部分についての言及もある。より楽しむためには、先に先に全編を(すでに読んだことがある人ももう一度)読んでからのほうがよいだろう。

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